一般社団法人日韓経済協会

コラム・メッセージ

平成31年 年頭所感

佐々木会長2019年元旦

(一社)日 韓 経 済 協 会  会 長
(一財)日韓産業技術協力財団 理事長
佐々木 幹夫

新年おめでとうございます。
 当協会の法人会員・協力会員の皆様、並びに当財団の活動を支援いただいております日本政府・評議員をはじめご関係者の皆様には、日頃から格別のご理解とご協力をいただき、衷心から感謝申し上げます。

私共が一般社団法人・財団法人として再スタートしてから6年目となる2018年度は、小渕恵三首相と金大中大統領による「日韓パートナーシップ宣言」20周年の節目となり、昨年5月に東京で開催した「第50回日韓経済人会議」には高円宮妃殿下、並びに安倍晋三総理のご臨席を賜り、つつがなく東京開催のミッションを終了することができました。これもひとえに皆様の積極的なご参画の賜物であり、私共の韓国側カウンターパートである韓日協会・財団共々、主催者として改めてお礼を申し上げる次第です。
 さて、この記念すべき日韓経済人会議では、次の50年に向けた日韓経済関係の協力のみならず、経済・人材・文化交流の3本柱を中心とした未来志向の発展のため、以下のような視点で具体的努力を積み重ねていくことを確認いたしました。即ち、
① 激動する国際情勢下における未来志向の日韓関係発展の方向性
② 資源・インフラ輸出等第3国における日韓協業の一層の拡大
③ 日本の雇用問題、韓国の就職難など両国が直面する社会的課題解決への相互協力
④ 日韓青少年の育成・交流の継続及び充実
⑤ 平昌の熱気と友情を東京オリンピック・パラリンピックへ向けて
 という共通認識です。
 昨今、イノベーションとボーダーレスな連携を促進して経済の拡大を支えてきた国際協調と貿易秩序の基盤が揺らぎ始め、将来への不透明感が増しています。北東アジアでも、米朝関係で緩和の兆しがある一方、米中および米露などの緊張は自由民主主義諸国の外交を巻き込んで、企業のグローバルな活動の依存性に影を落とし始めましたが、当面の世界経済は10年目の景気拡大期に入ったアメリカに牽引されて、堅調さが継続するものと見られます。
 こうした環境の中、足元の日韓関係は昨秋以来、韓国最高裁の日本企業に対する戦時労働者への補償を求める判決などを契機に、政治・外交面の難局が続いています。しかし、日韓両国はこれまでも多くの困難を克服し、とりわけ民間ベースの対話は一度も途切れることなく、経済・人材・文化交流において重層的な取り組みを積み重ねてきました。
 第一に、両国は共通の課題として、少子高齢化・人口減少問題に対応した医療・介護関連ビジネスの充実と効率化や防災・減災への取り組み、デジタル革命への対応、観光分野での連携など引き続き協力関係を深めるべきテーマがあり、シナジー追及の重要性も明らかです。協会・財団では、両国の地域間交流の促進イベントに参画しつつ、今年度も日韓防災機器・用品商談会を韓国群山で出展するなど新たな取り組みを加速しています。
 また、従来から継続している日韓製造業の調達・マーケティングに関わるビジネス交流の促進は、日韓中小企業情報交流センター(JK-BIC)運営による日常的な個別マッチング支援と同様に地味ですが、両国産業界の橋渡しが着実に成果につながる重要な活動と位置付けています。今年も、日韓中小企業商談会の開催および、韓日産業技術FAIRへの出展などを通じ、日韓の企業に多くの機会を提供して参ります。
 第二に、私共が2013年から取り組んでいる、資源・インフラ輸出等に関わる第3国展開を目指すプロジェクトでは、これまでのインドネシア、ミャンマー、モンゴルに加えて、昨年はベトナムを訪問し、日韓の協業をさらに進める可能性に自信を深めたところです。
 第三に、日本企業が直面する新卒売り手市場の採用難問題と韓国大学生の就職難に対応して、2015年から開始した人材育成型インターンシップ事業は3年目を迎え、両国からの高い評価が定着しつつあります。この4年間で約140名の韓国学生が、在韓日本企業でのインターン実習に1ヶ月派遣され、ビジネスの現場を経験してもらいました。このプロジェクトは韓国の若年層にとって、本邦企業の経営における人材重視や多様性、地域と共生するCSRの姿勢を理解する貴重な体験となっています。また、日韓の中小製造業の次世代経営者の交流は、昨年に続き第4回をタイで開催し、日系有力企業の工場視察を通じて、人材育成や生産管理、地域への貢献と環境活動など共通課題の発見に多くの示唆を提供できました。さらに、日韓の若手起業家の交流を企図したICT次世代経営者交流も2回目を日本で開催し、新たな取り組みの柱として期待されます。
 第四に、次代を担う青少年の育成と交流においては、2004年以来継続してきた日韓高校生交流キャンプは昨年、第25回を広島で開催して約80名が参加し、延べでは2000名を超えるOB・OGが両国関係の架け橋となってくれています。また、そうしたOB・OGが、その後の2007年から自主的に組織している日韓学生未来会議も、昨年は第13回の討議が長崎で開催されました。
 さて、私が日本側実行委員長を務める草の根ベースの文化交流「日韓交流おまつり」も重要な交流イベントとして定着したと言えます。昨年9月、日比谷公園において開催された第10回大会は、2日間で過去最多、約8万2千人の一般来場者の方々で賑わい、日韓文化交流の代表的な行事に成長してきたことを嬉しく思います。

本年も引き続き会員の皆様からのご助言、ご支援を活かして、事業の充実を図って参りたく、宜しくお願い申し上げます。
 最後に、会員企業の皆様、ご関係者の一層のご発展とご活躍を祈念申し上げまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

以上

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