一般社団法人日韓経済協会

コラム・メッセージ

常務理事就任にあたって

(協会報7月号より)

常任理事就任にあたって2015年6月
一般社団法人日韓経済協会
常務理事 千吉良 泰三

この度、日韓経済協会の常務理事を拝命しました千吉良泰三(ちぎらたいぞう)です。

日韓国交正常化50周年の節目の年を向かえ、新たな50年に向けて日韓が共に協力・成長していく重要な時期に誠心誠意尽力していく所存です。

私は、1980年以降トヨタ自動車で教育部、調達部、(社)経済同友会へ出向、秘書部、海外営業部を経験し、2006年から2010年初めまで韓国トヨタ自動車の社長&CEOとして韓国に駐在しました。韓国は他の販売国と違い、2001年からラグジュアリーブランドのレクサスモデルを導入しましたが、販売店の経営基盤が脆弱で、当社と販売店、販売店間の信頼関係も弱く、社会情勢の変化によっても直ぐに日常のオペレーションに悪影響がでるという難しい経営環境でした。

その様な中で、レクサスブランドの成長とトヨタブランド導入のため、販売目標に加え「地域の人々に信頼され、愛されるブランドになる」ことを指針に掲げ、お客様のケア(CS)とサービスの向上に努め、併せて、各地域の方々との信頼関係構築のため社会貢献活動にも力を注ぎました。

各地域を訪ね、直接販売店や地域の皆様の声を聞き、オペレーションに反映していく中で、販売店の結束力が高まり、サービス・CSも向上し、お客様や地域の方々にもトヨタの企業精神をご理解頂くことができました。厳しい経営課題に直面した時に、多くの韓国の方々からご支援とご助力を得られたのは、私の貴重な経験でした。そうして、帰国前にはレクサスブランドに加え、トヨタブランドという韓国社会で抵抗感の強かったブランドを無事導入することができました。

現在、両国の関係は決して良好な関係とは言えません。しかし、この協会は日韓国交回復以前から歴代の経営者の方々のご努力により、厳しい環境の時でも未来志向の強い絆が培われています。先人の努力を無駄にすることなく、自己のこれまでの経験を生かしながら、精励恪勤、両国の経済協力・文化交流・人材交流の促進に努めて参りたいと存じます。会員企業の皆様方、関係者の皆様方のより一層のご指導とご支援を賜りたく、よろしく、お願い申し上げます。

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